私は、鍼灸の治療日と治療日の合間に、飼い主さんにご自宅でお灸して頂くようお願いしています。
長年やって頂いて思うのは、やはり『自宅でのお灸の効果はスゴイ!!』という事です。それも続けて頂くと絶対に差が出ると思います。
その症例をいくつかお伝えしますね。
初診は、去年7月。椎間板ヘルニアの腰痛のせいで元気がなくなって来院されました。
一昨年にも同様の症状があり、その時は掛かりつけの先生から痛み止めの注射を数回打ってもらって、一旦回復したとの事でした。
また初診時には、小型犬やこの犬種でよくある「心臓疾患の雑音」も認められました。
当時は、腰痛のせいか少し控えめな子に見えましたが、鍼灸治療とお母さんの毎日のお灸で、どんどん元気になっていきました。
途中、脳の異常から来る眼球振動(眼球が時計の振り子のように、右→左、左→右と動く症状)や頭の上下の振動、眼の腫瘍などいろいろな事が起きましたが、何とか治療に反応してくれて、大方それらの症状は改善しています。
ただ、安定していた眼の腫瘍が最近少し大きくなってきたので、前足のツボに小さな針を入れたままにする「皮内針」という治療をし始めています。
お母さん(飼い主さん)は、とっても愛に満ちた方で、長い間ご両親を始めご家族やワンコちゃんのお世話を献身的にされた方でした。
毎日の自宅でのお灸も功を奏して、腰の痛みのせいで大人しかったももちゃんも、本来の陽気さを取り戻してすごく元気になりました。
ここまで元気さを保っているのは、当院での鍼灸治療だけではなく、お母さんの毎日のお灸の効果が絶対あると思います。
正にお母さんは治療者です(^_-)-☆。
※追記
本来お灸は、弱っている身体をお灸で補う治療です。
ですが、心臓疾患や腎臓疾患などでかなり身体が弱っている子にお灸し過ぎることによよって却って負担になる場合もあるので、ご心配な時はお近くで鍼灸をする獣医師にご相談下さいね。