『お家でのお灸の効果と暑がり屋さんのお灸について』

イングリッシュコッカスパニエルのゆらちゃん

以下のものは、院長が当院のLINEに投稿したものになります。

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おはようございます!
山の日に引き続き、お盆休みを頂いています。 
動物さん達も皆様もお元気でお過ごしですか🐶🐱🐰♫

今日はざっくりと
①お家でのお灸は絶対に良いですよ~!というお話
②この暑い夏、お灸はどうしましょう?!って事について
③うちの子暑がりやさん(熱証)なんだけど、お灸はどうしましょう・・?!
についてお話をさせて頂こうと思います。

イングリッシュコッカスパニエルのゆらちゃん

この写真は、イングリッシュコッカスパニエルのゆらちゃんです。
3年前になりますが、『ワンちゃんの長寿表彰状』を頂いたとのことでしたので、病院で記念撮影をさせて頂いたものです。
御年17歳だったような・・・(ゆらちゃんママへ、歳を間違っていたらごめんなさいです😓🙏)

ところで、ゆらちゃんがどうして持病を抱えつつ長生きをしてくれたかと言いますと、やはり「毎日お家でお灸をしてくれていたこと」だと思います。

私は16年間阿久比の本院で普通の西洋医学の獣医だけをしていました。
その後4年間、西洋医学と中医学(鍼灸・漢方薬・推拿)を両方やって、約14年間は鍼灸のみやっています。

長年いろんな症例の子を診てきて、『お家でのお灸は絶対にイイ!!お灸していない子と絶対差がつく!!』と思うことがよくあります。
どんな場面でそう思うかと言いますと・・

《お家でのお灸の効果》

  • 鍼灸治療の合間に、お家でお灸をしてもらっている子は、同じ病気でも回復度が全く違う。
  • 椎間板ヘルニアや膝蓋骨脱臼(通称パテラ)など、鍼灸治療で改善した後、お家でお灸をしてもらっている子は、再発しにくい。
  • お灸することによって、いろいろな病気の原因となる『瘀血(おけつ;血の巡りが悪くなる状態)』が改善されるので、回復力を上げたり再発を防ぐことが出来る。
  • 一つの症状を改善させるお灸でも『おまけ』がついてくることがある。
    ⇒例えば、気管虚脱の咳の為にお家で「定喘(ていぜん)」というツボと「腎兪(じんゆ)」というツボにお灸し続けたら、足腰がしっかりして来た。など。
  • 関節の病気で痛み止めをずっと飲んでいた子が、飲む回数が減った。または全く飲まずに過ごすことができている。
  • 慢性腎臓病や癌など持病を抱えた子に、お灸をすると『QOL』を上げる事が出来る。・・『QOL』は、クオリティ・オブ・ライフの事であり、「生活の質」という意味です。
    なので『QOL』を上げるということは、例えば病気を抱えていても、最期まで食べることが出来たり、自分の足で歩くことが出来るように出来るという意味です。

さて、今日一番初めにアップしたラインの②の話に移りますね。

②夏のお灸はどうしましょう?! についてです。

エアコンの効いた部屋にいる動物さんたちは、床から数10センチの所にいます。 涼しい空気は下に下がる為、私達人間と比較すると、かなり冷えた所にいることになります。
常に体が冷えているので、是非お灸をしてあげてくださいね!

※お灸を嫌がる子は、無理にお灸しなくても薄いお洋服を着せてあげるのも手です。

※夏以外であれば、飼い主さんがお灸の準備をしていると、近寄ってきて背中を向けてちょこんと座る子もいますが、夏のお灸を嫌がる子もいます。・・・③の話に続きます。

③うちの子暑がりやさん(熱証)なんだけど、お灸どうしましょう・・?! についてです。

人も動物も、体質により『熱証;暑がりやさん』と『寒証;寒がりやさん』に分かれます。
加齢や病気の為に起こる『瘀血』によって『寒証』になる子もいます。
そういう子は、暑い夏でのお灸も喜んでお灸させてくれますが、『熱証』の子からすると、ただでさえ暑がりやなのに、温かいお灸が苦になるのは当然ですよね・・。

※お灸を嫌がる時は無理せず、推拿(すいな;ツボや経絡に沿ったマッサージ)に切り替えて下さい。

※『熱証』の子でも、どうしてもお灸をしている方が断然体の調子の良い子もいます。(例えば重度の椎間板ヘルニアで改善した子や癌を患っている子など)
そういう子には、体の下に動物用のアイスマットなどを敷いてあげて、体を少し冷やしながらお灸をして頂くと、それほど苦にならないようです。よろしければ一度お試しくださいね~。

★お写真のウルちゃんは暑がりさんなので、鍼灸の際はご持参されたアイスマットの上で治療させていただいています☺

ウルちゃん
ウルちゃん

※『いつも私が推奨するお灸(背骨の両脇のツボを上からお灸した後、『腎兪』や、それ以外で病気のポイントとなる「ツボ」に5分くらいのお灸すること)』は、やって頂くに越したことはないのですが、動物さんが「はぁ、はぁ・・」と言い出した時は、喉が渇いているか、暑いと感じるときなので、そういうときはお水を与えて、それでも治まらない時は、しっかりお灸せずに適当に短い時間で切り上げて頂けたらと思います。

※また、飼い主さんが、お灸の煙と香りでお部屋が臭くなるのが苦になるので、ベランダでお灸する方もいらっしゃいます。
ですが、この酷暑の中、ベランダでお灸すると動物さんも飼い主さんも熱中症になりかねないので、涼しい所でお灸してあげて頂けたらと思います。
無煙棒灸と言って、もぐさを練りこんである炭のお灸もありますので、煙の苦手な方はそちらをお使い下さいね!

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