今から遡ること15年ほど前でしょうか・・。
鍼灸を始めて一年も経たない時に、『師温会』という医師・鍼灸師・獣医師など鍼灸(中医学)を取り入れている先生方の勉強会に出席しました。
それは「今は亡き温雪楓(おんせっぷう)先生の教えを継承する勉強会」でした。
私は今こうして針灸治療をさせて頂いていますが、それは中国の医師であり針灸師でもあった温雪楓先生の治療法『3―E針法』が大元になっています。(写真の説明の通り)
当時、鍼灸かじりたての私にとって、この勉強会はかなりレベルが高く・・お恥ずかしいことに勉強会の内容が本当に分かるようになったのは、初めて受講してから数年経ってのことでした。
20年ほど続いた『師温会』でしたが、残念なことに去年の11月にある事情で幕を閉じてしまいました。
そこで、「是非この師温会をもう一回立ち上げて欲しい!」という声が多かったのですが、具体的な形にならないまま時間が経っていました。
そして2月のある日、獣医中医薬学院の講師の岩西先生からお電話があり、「工藤先生! 新しい師温会の事務局を引き受けて下さったんですね!?ありがとうございます!」と言われ・・・それは私にとって正しく“晴天の霹靂”でありました。
「岩西先生、ちょっと待って下さい!!私はそんな話はどなたからもお聞きしてませんよ。それに今名古屋の病院と阿久比の病院の行ったり来たりで余裕がありませんし、私自身もっと勉強もしたいのでとても無理です。と言うか、岩西先生、少し考えさせて頂けないでしょうか・・?!」とお応えしました。
ですが、それから二日後、岩西先生にお電話しました。
「先日のお話ですが、わたくしで良いのでしたらお引き受けさせて頂きます!」と。
これからお書きすることをうちの副院長の水出先生に言ったら、彼女に叱られそうですが、普通は先にこの状況を彼女に伝えて、「水出先生、本当に申し訳ないのだけど、こういう話が出てるんで、手伝ってもらえるかなぁ~・・。」と彼女に相談してからこの勉強会の事務局を引き受けるのが筋なのですが、実は先にお引き受けしてから水出先生に相談(というかお願い)しました。(水出先生ごめんね^_^;!)。
彼女は一旦「先生~・・。こんな状況で事務局なんか引き受けたら、先生死にますよ~!!」と言ってから、ちょっと考えて、「解りました!先生が引き受けるんなら、私もできる限り協力します!」と男前に言ってくれました。(さすが水出先生(^_-)-☆!)
そして、更に私の背中を押したのは、ひと月半に一度、私の腰痛の治療をして下さっている『西の巨匠・国分龍彦先生』のお言葉でした。
いつだったか、山内校長に「後輩たちに自分の診察の心構えを伝えてから、ボランティア実習の指導をして欲しい。」と言われた時、「国分先生、私なんぞにそんな大役は出来ません。どうしましょう・・。」とご相談したところ、開口一番『工藤先生、頼まれごとは絶対に引き受けるべきです!』と仰ったのでした。
今回この話を頂いて二日間迷いましたが、国分先生のお言葉が頭を過り・・・「マジにきついな~って思うけど、国分先生がおっしゃる様に、頼まれごとをお引き受けするのは、私の成長にも繋がるだろうし、きっと深い意味があるのに違いない。」と思ってこの度お引き受けさせて頂いたのでした。
とは言え・・お引き受けしたのはいいものの、『師温会』で使っていた会員の住所録も資料も実習用の布団など殆どのものがなくて、正直大変でした。
副院長はこの準備の為にエクセルの本を買って勉強してくれて、研究会当日までの間は、二人とも仕事以外は、ほぼ研究会に時間とエネルギーを注ぎました。
彼女がいてくれなかったら、この日はなかったと言っても過言ではないでしょう。
当日は、会長の国分先生と西依先生の講義の後、今回の受講者のうちの二人の先生に患者モデルになって頂き、みんなで脈を取りながら『第一回 温雪楓中医学研究会』の幕は閉じました。
受講生の皆さまは熱心に受講され、終わった後で数人の方からお喜びの声を頂き・・「本当に事務局をやらせて頂いて良かった!!」と心から思いました。
当日の朝、何もお伝えしてなかったのに元師温会の吉川昇子先生は開場一時間前に来て下さって、受付等テキパキと手伝って下さいました(涙・・)。
受付業務と会の進行の両方を任されてましたので、本当に助かりました。
昇子先生、ありがとうございましたm(_ _)m。
今回の第一回の研究会は、ドタバタの中、こうして無事に終わりました。
昇子先生のみならず、副院長の水出先生、補佐としていろいろご助言下さった岩西先生と西依先生、そして会長の国分先生に心より感謝申し上げますm(_ _)m。
12月中旬に『第二回 温中研(温雪楓中医学研究会)』がありますので、より有意義な勉強会になるよう尽力しつつ・・事務局を任せて頂く以上、私自身もっと深く学んで自分を高めていきたいと思っています。
ということで・・この歳になって、今回の体験から『頼まれごとは断らない!!ということはとても大事だということ』を、学ばせて頂きました。
それでは皆さま、ごきげんよう~・・チャンチャン(^^♪
温雪楓中医学研究会ご案内の手紙
ちょっと?小さくなってしまいましたが、西依先生が講義の前に温雪楓先生の略歴をお伝えしているところ
受講生の中から患者モデルさんを募り、会長や副会長指導の元で治療をしているところ
この時、受講生みんなで治療中の患者モデルさんの脈の変化を診せて頂きます