椎間板ヘルニアのみならず、関節等の骨の疾患は、寒さや湿気で発症することが多いです。(寒さのことを中医学的に言うと“寒邪”と言い、湿気は“湿邪”と言います。)
ですので、一年の中では決まって、寒い冬に多くの子たちが発症します。
寒い時は、初めて発症した動物だけではなく、過去に発症して鍼灸治療で一旦良くなっていた動物たちも再発することが多いです。
ですが、冬以外でも発症する時期ってあるんですね・・。
そうです!!
暑い夏が続く時も実は再発率が高いのです。
今年は特に暑くてエアコンをずっと掛けっぱなしでおられた方が多いと思いましたので、治療におみえになっていた飼い主様には、「エアコンはこの時期かけないと熱中症になりますけど、ワンちゃん達の身体はここ・・、ね!? 私達よりも低いとこにいるでしょ?! エアコンの低い温度は下に行くのですっごく身体が冷えるんですよね。なので動物たちが暖かい部屋に自由に出入りできるようにしておくか、そうでなかったら一枚お洋服を着せてあげて下さいね!」とお伝えしてました。
ですが、もうすっかり良くなって、椎間板ヘルニアだったことを感じさせないような子が、エアコンの低温(寒邪)のせいで、いきなり再発するんですね・・・。
もしかしたら、ワンちゃんは数日前から違和感や痛みを感じていたのかも知れませんが、飼い主様からするとそれが分からない事が多く、この夏も数頭の子が再発してしまいました・・。
一度椎間板ヘルニアを発症している子、高齢の子、それから若いけど嬉しい時にぴょんぴょん飛び跳ねる子、段差のある所を上がったり下がったりしている子・・・などは、エアコンを利かせたこの時期は特にお気をつけくださいね!
※ちなみに、一度発症してから再発率の低い動物たちは、その子たちの飼い主さまにある共通点があります。
それは何だか分かりますか?!
それは回復後のお家でのケアです。
滑らないように廊下などに滑り止めマットを敷いておくもの大事ですが、それ以上に大事なのは、お家での棒灸による施灸です。
重度だった子ほど、毎日するのが理想ですが、それが出来ないようでしたら毎日とは言いません。
週に2~3回(できれば3回)、腎兪という背中のツボに施灸するだけで、かなりの動物の椎間板ヘルニアの再発を防ぐことが出来ます。罹り始めでしたら、施灸だけで改善するケースもあります。
中医学では、基本的に全てのものを5つに分けて考えます(五行論と言います)。
骨と腎は繋がっていると捉えますので、椎間板ヘルニアのみならず膝蓋骨脱臼やその他骨の疾患の多くは、腎兪にお灸することはとても治療効果があるのですね。
過去に椎間板ヘルニアになった動物と暮らしている方は、よろしかったらお試しくださいね。
※椎間板ヘルニアの再発は施灸をしていたら絶対に再発しない。とか、腎兪の施灸のみで椎間板ヘルニアは改善する。とは言っていませんので、そこのところは思い違いして頂かないよう、お願いしますね。
上の黒い棒状の棒灸(ぼうきゅう)は、炭のお灸です。炭の中にお灸の成分であるもぐさが練りこんであります。煙が殆ど出ないので、煙の嫌いな動物さんや飼い主様にお勧めです。但し、施灸している間に、消えかけた熱い炭が身体に落ちることがあり、動物さんの身体とお灸の間に布を置いても、動物さんが火傷をすることがあるので、要注意⚠です!!
それと下の棒灸に比べると、炭だけあって時間と共にすごく熱くなりますので、熱すぎないかどうか、必ずマメにチェックしてあげてくださいね。下の棒灸は、もぐさとともに鎮静・鎮痛効果のある漢方薬がブレンドされている棒灸です。上のものと比較すると結構煙は出ます。ですが、その煙も嗅いでいると脳の血流が二倍になると言われています。(老犬・老猫・老人に良いですよね!)
炭の棒灸と比べると火傷の頻度は低いですが、やはり動物さんに火傷をさせないように、くれぐれもご注意⚠くださいね!
※動物さんたちがごぞごぞしている時は、じっとしている事に飽きた時もあれば、熱い!!と感じている時もありますので気をつけてあげてくださいね。