『薬膳;秋にお勧めの食材』

秋は、立秋から立冬までの三ヶ月間を言います。
今年は、立冬が11月7日ですので、その前日の6日までが秋になります。

秋は正に収穫の時期ですので、夏に成長したものが秋に成熟します。皆さまの中にもご経験があるかも知れませんが、夏に無理をし過ぎたり、食欲不振に任せてきちんとした食生活をしなかったりすると、秋になってそのツケが回ってきて、髪が抜けたり身体のだるさが抜けなかったりしますよね!

中医学では、全ての「気」を陽と陰に分けるのですが、この時期は、「陽気」(温かい気)が徐々に減り、「陰気」(寒い気)が増え始め、冬への移行期にあたりますので、今の時期を上手に乗り切って冬に備えて頂きたいと思います。

Ⅰ 秋の季節が私達に及ぼす影響

①気温が低くなるので、気や血の巡りが悪くなります。(中医学では気は血に乗っていると考えるので、血の巡りが悪くなると気の巡りも悪くなります。)
②毛穴が閉じて汗をかきにくくなり、秋の燥気の影響も受け、皮膚が乾燥します。(ワンちゃんネコちゃんの体表にはないのですけどね。でも、皮膚は乾燥しますね!)
③下の※印の通り、秋は肺の気が強くなるので、この時期肺は秋の燥気の影響をとても受けます。中医学的な観点からすると、もともと肺は「水の上源」と言われる臓であり、水分の調整をするところなので、乾燥に弱いのです。乾燥によって肺が侵され、鼻、喉、口、唇、舌、皮膚などの乾燥と共に便秘を起こすこともあります。

Ⅱ 秋の食養の原則と過ごし方

①養肺潤燥・・・肺を養い潤す食材を摂りましょう。
②辛い食材を控えめにします。辛いものは、肺を強めますので、少し摂るのはいいのですが、摂りすぎると身体を乾燥させます。
③甘いものを多く摂って、夏に傷んだ脾胃を補います。
④早寝早起きをし、精神の安定に努めます。そして肺を乾燥から守り、良い状態に保ちながら、冬の土台を作ります。

Ⅲ 秋にお勧めの食材

※印の通り、秋は五行の色で言うと白に当たります。白いものは水分を補うものが多いです。
①滋陰(水分を補って潤わす);梨、山薬(ヤマイモ)、白キクラゲ、百合根、杏仁、豆腐、豆乳、柿、りんご、みかんなど(豆腐・豆乳は、腎を補うので、腎が傷むこれからの冬にもお勧めです。)

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五行
五色
五気
六淫
五臓
五腑
五味
五体
五官
五華
七情
燥邪
大腸
悲・憂

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