前回のよもやま話で、中医学のベースとなる理論について簡単にご説明させて頂きました。
そこで『心身一如』(心と身体は繋がっていること)についても触れました。
今日はそう感じる場面は人に限った事ではなく、動物たちにもあるという例を皆様にお伝えしようと思います。
例えば嫌いな猫と同居している猫ちゃんが、ストレスの為に背中の毛の殆どが抜けてしまったり、大好きな飼い主様の取り合いで、留守中ライバル犬?に威嚇され続けたそのストレスで、緑内障になってしまったワンちゃんなど、今まで「人間のみならず動物たちも心と身体が繋がってるんだな~。」と思わせるような子が結構いました。
今回は飼い主さまがご旅行に出かけたり、飼い主様の体調が悪くなってしまうと、心配が高じて腫瘍が大きくなってしまうワンちゃんの症例をご報告しますね。(掲載させて頂くことは飼い主様からご承諾済みです。)
その子は、T.ソラちゃんという可愛い14歳のロングチワワさん、男の子です。
ソラちゃんは、子供の時から眼の手術をしたり、原因不明の血便が続いたりと大変な子でしたが、歳を重ねるごとに落ち着いてきて、年に一回のワクチンの時にお逢いするくらいになりました。
ところが、9歳の時に突然椎間板ヘルニアになり、また鍼灸治療で通院して頂くことになりました。
良くなっては再発し、また良くなって・・を繰り返した後、月に一回のメンテナンスの治療になった3年前のある日、ソラちゃんのしっぽの付け根に大きな腫瘍があるのを発見しました。
しっぽの付け根にできる腫瘍で悪性のものもありますが、検査の結果、ソラちゃんは良性の『肛門周囲腺腫』であることが分かりました。
ただ、普通『肛門周囲腺腫』と言えば、病名通り、肛門の周りにできることが多いのですが、ソラちゃんはしっぽの付け根に出来ていたのですね。
Tさんは「一旦様子を見たい」とのことでしたが、ある時期から急に大きくなった為、手術に踏み切ることになりました。ただ、腫瘍が大きいだけに、もしかしたらしっぽを一緒に取ることになるかも知れないことをお伝えしたところ、まずは一旦『去勢手術』をして、様子を見ましょう!」ということになりました。(この病気は去勢して男性ホルモンの分泌を止めてしまえば、95%の子の腫瘍が小さくなる為、それを期待したわけです。)
ですが、手術前に麻酔を掛けて毛刈りをした時、ソラちゃんが大変な体質であることに気づきました。
毛刈りしたペニスの周りの皮膚に、『紫斑(しはん)』という紫色の斑点がいっぱい出来ているではありませんか!?
『紫斑』というのは、皮膚や皮下織内に出血した為に起こる点状の赤紫色の斑点のことです。
その原因はさまざまであり、
①血管に問題がある場合
②血管以外の組織に問題がある場合
③出血した時にそれを止める成分(主に血小板)が減少する場合
の三つに分かれます。
ソラちゃんの場合、その後三度に及ぶ血液凝固検査の値が正常値のギリギリだったことから、上の③の可能性が高いということになり、「もし、手術すると出血が止まらなくなるような、突発性の大きな病気の可能性が高い為、今後は要観察、そして当分の間手術は見合わせる。」ということになりました。
三回目の検査は首から採血したのですが、翌日首を見たら、そこにも『紫斑』が出来ていました。それで、「もう手術は考えないで、鍼灸治療で様子を見ましょうか。」というところに落ち着きました。
あらまっ、気が付いたら、かなり長~~くなってしまいましたね!
ここまでお付き合いくださいまして、ありがとうございましたm(_ _)m。
続きは次回、ということで・・・かなり暖かくなりましたが、昼夜の温度差が激しい今日この頃、皆様も動物さん達も・・
体調管理の方、よろしくお願いしますね~(^^)!
ではでは~・・・。
「きゃ~、可愛いい♡!」って思わず声が出ますね!!
今は社会人になって活躍なさっている娘さんに抱っこしてもらってパシャ!!
二週間前はもっと平たくて、大きさも変わらずに安定していたのですが、お母さんの具合が悪くなって数日寝込んだ時に、一気に分厚くなりそして大きくなってしまいました。