この「木」は、❝ハナちゃん❞といいます。
去年の10月、名古屋の「リリー動物病院 東洋医学クリニック」を開業した時、阿久比の病院に通院してくれていた犬の❝ハナちゃん❞の飼い主さまのHさんからお祝いに頂いたものです。
犬のハナちゃんは、水出先生が主に診せて頂いていた子でしたが、2006年に水出先生が出産退職したことによって、担当獣医が私に変わったのでした。
私がハナちゃんを担当した時は、一見元気だったのですが、肝臓が弱く、お耳も痒がっていました。
ハナちゃんは、心地よいか悪いかという自分の意思をはっきり持っている子であり、怖がりさんでもありました。
それで血液検査やお耳の処置をしようとすると、恐怖と怒りの為に攻撃的になり、いつも私達を咬もうとしてきました。(中医学の五行論では、肝は怒りの臓なので、肝が悪い子は怒りっぽい傾向にあり、また怒りっぽいが故に肝を悪くすると言います。ですが怒りをうちに秘めて我慢して肝鬱になることもあるのですけどね。同じく恐怖の臓は腎にあたるので、怖がりさんは腎が悪い傾向にあり、また長い間恐怖にさらされることによって、腎を傷めると言います。)
でもそれ(私達を咬もうとすること)は、動物達は人間の言葉が話せないので、仕方ないと言えば仕方ないことなんですよね。
『嫌だ!!』ってことを身体で表現してるだけなんですから・・・。
なのでハナちゃんに限らず、動物病院に来院する多くの子たちは「なんでこんな所に来なきゃならないんだ!! オイ!そんなにきつく押さえつけないでくれよ~!!」とか「痛いじゃない!ただでさえ身体がしんどいのに、嫌な事しないでよ(怒)!」って思っていることだと思います。
ハナちゃんを診せて頂いたばかりの時、かれこれ20年前になりますが、開業当初避妊手術をさせて頂いた、❝真っ白なマルチーズのはなちゃん❞を思い出しました。(残念ながらそのはなちゃんのお写真はないのですが。)
当時マルチーズのはなちゃんはワクチンで通って下さってました。とても人懐っこい子で、二回のワクチンも度重なるお耳掃除も嫌な顔をせずいつも我慢してくれていました。そして診察前に待合室で待っていてくれた時に、診察室から私の声が聴こえると、いつも嬉しそうに尾っぽを振ってくれてたんですね!
はなちゃんはいつも可愛くてその度に「先生~!大好きだよ~💛!!」って言ってくれてるように感じてました。
ところが・・・避妊手術をした後、術後のチェックの時には犬が変わったように、私が近づくと恐怖の顔をして後ずさりしてしまったのです!
そんなはなちゃんを見て「あっ、そうか・・・。」と納得して、本当に悲しくなりましたね・・・。
実は手術をする直前には、どの子にも安全な麻酔をする為に、眠くなる注射をしてから気管チューブという長い管をお口から入れるのですが、はなちゃんにその注射をうってぼ~っとしている時に気管チューブを入れようと思った時、もうろうとしていた彼女としっかり目があったのを私は感じていたのでした。
そうなんです!! はなちゃんはその時私が気管チューブを入れて手術したということを感じて、そしてその後も覚えていたんですね!
これは悲しいかな獣医の宿命であり、仕方ないことなのですが、そんな痛い思いをしてましたので、私は写真の❝ハナちゃん❞を診せて頂くことになった時、ハナちゃんとお友達になる為に、「ハナちゃんに対して嫌われることを一切しない」ところからスタートしました。
採血もお耳掃除も、みんな他の獣医や看護師たちにやってもらいました。
私は何をするかと言うと、血液検査の結果を見た後心臓の聴診をして、お耳を覗いてお薬を注すだけ。そしてHさんからハナちゃんの様子をお伺いして、最後に「ハナちゃん、よく頑張ったね~!!」と、にこにこしてご褒美のおやつをあげることに徹っしました。
怖がりさんだったので、毎回口輪をさせて頂いてはいました。
診察が終わって口輪を外しておやつをあげる時、Hさんのご希望もあって、「待て」と「お手」をするのですが、「早くちょうだいよ!」と言わんばかりに焦る気持ちもあって、威嚇して咬もうとしてきたこともありました。
でも、一年経ち二年経ち・・・回を重ねるうちにだんだんハナちゃんと私の距離は縮まっていきました。
そしてとうとう、院内では私が一番ハナちゃんに近い存在になったようで、Hさんがおっしゃるには、車の中からでも待合室でも私の声がするとシッポを振ってくれるようにまでなったそうでした(^-^)!「ヤッター!!」って感じでした。(看護師さん達、ごめんね!)
でも基本的には、毎回ハナちゃんは緊張していたようで、毎回聴診器を胸にあてただけで、心臓がバクバクしてましたし、お耳にお薬を入れるのもかなり嫌そうでした。(普通に考えても液体がお耳に入るのは私達だって嫌なんですけどね!)でも最後まで我慢してくれていました。
そして、ひと月に一回~二回のお付き合いでしたが、気がついたら11年の月日が経っていました。
残念ながらこの3月に15歳半でハナちゃんは亡くなってしまいましたが、ハナちゃんは最期までHさんとご主人、そしてHさんのご両親からたくさんの愛をもらって生きてきました。そしてたくさんの愛をHさんたちに返してきたことだと思います。
この子達は人間の言葉を話すことはできませんが、人間と同じような感情を持ち、愛をもらえば幸せを感じ、ぞんざいに扱われれば心が傷つき・・・そしてご縁のあったご家族の幸せを祈りながら一生私たちに寄り添って生きてくれてるんですね・・・。
動物達はどの飼い主さまの所に行くかで運命が変わります。
その事を少し意識して、いつも一緒にいてくれる動物たちと接して頂けたらと思います。(な~んてこのコラムを読んで下さっている方はそんなこと分かってらっしゃる方ばかりだと思いますが・・。)
そして「虐待されたり飼育放棄されたりして保護センターに来るワンちゃんや猫ちゃんたちがいなくなる日が来るといいな~!!」と心から思います。
今頃ハナちゃんは、Hさんたちのことを見守ってくれてるんでしょうね~・・!
今の名古屋の病院では実質獣医は私一人なので、痛いことも私がやらせて頂く事になってしまうのですが、私は、❝ハナちゃん❞と❝はなちゃん❞から大事な事を学ばせて頂きました。
ハナちゃんとはなちゃん、本当にありがとうね~!!
アニマルコミュニケーションのお部屋にハナちゃんはいてくれてます。
頂いて3ヶ月した頃、何かの感染なのか葉っぱが次々に枯れてきて、本当に焦りました。
当時応援に阿久比から来てくれていた看護師の鳥居さんと西尾さんにネットで調べてもらって、それらを駆除して今の元気なハナちゃんがいます。
Hさん、そして看護師さん達、ありがとうございます!
Hさんちのハナちゃん
この写真は13歳くらいの頃でしょうか・・。この頃には採血もお耳掃除も大分許してくれるようになりました。
こうやってお写真を見ると来週またハナちゃんに逢えるような気がしちゃいます(泣)・・。
虹は数えるほどですが今まで何回か見たことはありました。でも二日続けて見ることが出来たのは初めてでした。
何だか大きな神々や守護霊さまに守られているような、そしてこれからいい事が起こりそうな・・・そんな温かい気持ちになりました。
この虹を見た人にも見なかった人にも、いい事がたくさん起こりますように~…(^^)☆彡