三月に入って半ばになりますが、朝晩結構冷えてましたね。
これからは、どんどん春らしくなっていくでしょうね!
今日は、2月に途中まで書いた話を掲載させて頂きますね!
この写真は、名古屋の病院のトイレに貼ってあるカレンダーです。
この白い愛らしい花は、『黄連』と言う薬草です。
キンポウゲ科の植物で、高さは約20㎝、高山地帯の寒冷湿地を好んで咲きます。
3~4月に花を咲かせますが、11月に掘り起こしてその根茎を日干しか火で乾燥させて使います。
この薬草は熱を取り(清熱)、湿を乾かす(燥湿)役目を果たすので、「清熱躁湿薬」というグループの代表薬になります。
ですので、胃腸の湿熱による胃腸炎や嘔吐・下痢を治したり、熱病による高熱や意識障害、うわ言・精神錯乱などにも有効です。
また膿瘍や化膿性皮膚炎、鼻・胃腸・膀胱などに熱を持ったことによる出血にも効を奏します。
代表的な方剤(他の生薬も混ぜて黄連を使った薬)は、黄連解毒湯、温清飲、荊芥連翹湯、竜胆瀉肝湯などがあります。
獣医領域では、上の方剤を単独もしくは他の方剤と合わせて、可能性皮膚炎やアトピー性皮膚炎、興奮して夜も眠れない猫ちゃん、膀胱炎等に処方します。
あずきちゃんについて・・・
あずきちゃんは、今はひと月に一度のペースで、鍼灸で来院されていますが、初診時は週に1~2回、鍼灸治療と共に漢方薬とまこもを飲ませて頂き、途中から食事も手作りご飯に変えて頂きました。
そして本田さんには毎日朝晩二回、あずきちゃんの足の指の間や口唇部をイソジンやマコモなどでケアして頂いてました。悪化予防も兼ねて今もケアをして頂いていますが、初診時に一日二回だったケアが、今は三日に一回のペースになっています。
お忙しい中、本田さんの手厚いケアには本当に頭が下がりました。
そんな本田さんのお姿を見ていると、「重症の病気になる子達は、自分が病気になる前の段階で、❝ この人だったら自分が病気になった時に、何とかしてくれるに違いない ❞ と思って、この飼い主様を選んでくるんじゃないかなぁ・・。」と思ったりする事があります。
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激しい痒みのせいで、イラついていてお顔つきもよくありませんでした。
指と指の間は、炎症による赤みと痒みが激しく、化膿した液でじゅくじゅくになっていました。
秋には痒みもかなり治まり、とっても自信に満ちた顔つきになりました。
指の間もここ通りきれいになって、今は殆ど掻かなくなりました。
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あずきちゃんは、初診時普通の犬用のドライフードを食べていました。
一時アレルギー用のドライフードに代えたそうですが、激しい下痢になったので、普通のドライフードに戻したそうです。
一見元気そうでしたが、初診時も結構な軟便でした。
本田さんの稟告やあずきちゃんの舌の様子から ❝ 脾虚による下痢 ❞ と判断しましたので、『黄連』を服用することによって下痢が悪化しないように、人参湯やまこもも併用しながら治療していったところ、皮膚炎と共に軟便も改善してきました。
ですがまだ少し柔らかかったので、途中から『まこも』の量を大幅に増やして頂いたことによって、今はとてもいい便になりました。
※黄蓮のように熱を下げたり炎症を抑えたりする漢方薬は、当たり前の話ですが身体を冷やすので、注意して使わなければなりません。そして漫然と使わず、ある程度効果が出てきたら、減量するか他のお薬に切り替えるようにした方がいいと思います。