『腎(腎臓)のお話』

五行色体表 (秋)

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五行色体表 (秋)

さて、今日は「腎(腎臓)の働き」についてお話させて頂きますね!
普通に西洋医学を学んできた私からすると、「中医学での腎の役割り」は西洋医学とだぶるところもありますが、観点が全く違っていて、最初はとてもびっくりしました。
ですが、いろいろな症状を考慮すると中医学的観点での「腎の働き」は頷くことも結構あります。

中医学では、「腎の死」は「その個体の死」と言われます。
そしてお母さんの胎内で命が宿った時に、父母からもらう「気(エネルギーのようなもの)」は、両方の腎の間にストックされると言われています。それを「先天の気」といますが、食事などで摂る気は、脾で作られて「後天の気」と言って「先天の気」の隣りにストックされます。
両方の腎の間にそれらの「気」をストックしておいて、他の臓が「気」を必要としている時に、腎から「気」を貸すと言われています。

西洋医学的観点同様、中医学から観た「腎」は、水の代謝に深く関わっています。これは「泌尿器」と関わるという事ですね。
そして、「泌尿器」の他、「生長や発育」「生殖」「骨」「老齢化」「免疫」など動物の生命維持に重要な役割を持つと言われています。

ですので、普通であれば「腎」「泌尿器」なので、「生殖には一切関わらない」という考え方が一般的なので、この中医学の考え方はかなり独特ですよね・・。

また、歳を取ると、「腎虚;じんきょ」と言って腎の力が弱まります。
そうすると、骨が弱くなって足腰の疾患になったり、耳と関りが強いので難聴にもなります。
先ほど「生殖器」にも関わる。とお伝えした通り、加齢のみならず若くても「腎」の力が弱いと、遺精や不妊、不育などにもなったりします。
ですので、それらの疾患の治療では、腎を強める治療をします。(いつも私がしつこくお家での「腎兪」のお灸がとっても大事!!というのはこの辺が理由です)

ところで、生後6~7か月で避妊手術や去勢手術をすると、腎の力が弱くなり、前回お伝えしたように「寒証;かんしょう。寒がりさん」になったり、骨の疾患になり易くなったり、尿漏れになったりすることがあります。

西洋医学的には、「その月齢で避妊・去勢手術をするのが一番生殖器の病気の発症が少ない」と言われているので、私が西洋医学の獣医をしていた頃は、「それが一番!」だと思って、実際その時期の手術を勧めていましたが、メリットのみならずデメリットもあるのを鍼灸治療に来られる患者さんから学びました。

どっちが絶対に良いと言い切れないですし、本当にこれは難しい問題ですね・・。

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