今日5月2日は、この言葉を残してくれた私の大切な友人である與語淑子(よごとしこ)さんの命日です。
私は9年前、あるご縁で週に一回の「経営者の勉強会」に出席していました。
何回めかの勉強会で、知人からいきなり「工藤さん、あの着物姿の人、名古屋の料亭の女将(おかみ)なんだよね!結構面白い人だから紹介してあげるよ!」と言われて名刺交換をしたのが、與語さんとの出逢いでした。
彼女は名古屋の料亭で女将として働きながら、その経営勉強会の名古屋部会の幹部兼講演者として、依頼がある度に講演して歩いていました。
私は、名刺交換をした時の彼女の素敵な笑顔に惹かれて、翌週彼女の講演を聞きに行きました。
その後、半田の部会にもお呼びして半田市でも講演してもらい、與語さんと私は交流が深まって行きました。
ところで與語さんですが、実は初めてお逢いする4年ほど前に、子宮癌になって闘病して一旦完治していました。
ところが、完治して二年経った時に再発してしまい、その時医師から「余命半年」と言われたそうです。
そしてその医師の余命宣告から一年半が過ぎていた時に私は與語さんにお逢いしたのでした。
その経営者の勉強会で彼女は、ご自身の癌の体験談や彼女の思いを講演していました。
再発した時、検査してもらった医師から実にあっさりと“余命宣告”された時の気持ちや、闘病中に元野球監督の王貞治さんや瀬戸内寂聴さんに逢いに行った時の話をユーモアも含めて講演した後、「私はこうして再発してしまいましたが、人は“死に方は選べませんが生き方は選べます!!”」と必ず結ぶのでした。
話が前後しますが、彼女の講演を初めて聞いた時、私は「この人の病気を完治させることにエネルギーを注がなくてはならない!」と、誰に頼まれたわけでもなく、勝手に強い義務感の様な気持ちが湧き出てきて、「與語さん、京都に癌などの難病に尽力なさっている堀田忠弘先生という方がいらっしゃいます。私がお連れしますから一緒に京都に行きませんか?!」と持ち掛けたところ、なんと一回目に癌になった時に完治したのは、料亭に来るお客様から堀田先生を紹介されて、堀田先生の治療を受けたからとのことでした。
それで話は直ぐ決まり、堀田先生の治療の予約を取って二人で一泊しながら堀田医院に行きました。
一回目は車内でいろんな話をしながら楽しく行き、二回目は、與語さんの身体に腹水が溜まりつつあったので、少し?しんどそうでしたが、やはり楽しい時を過ごし・・・三回目の予約の時にはとうとう遠出ができない状態になっていたので、一緒に京都には行けず、それからふた月経った8年前の今日、亡くなってしまったのですね・・・。
彼女は癌の末期で腹水が溜まった状態でも、ぎりぎりまで女将としてお店に出て働いていました。
虫の知らせなのか、5月2日に與語さんに急に逢いたくなって病院を訪ねました。
「もうこれが最期だね。與語さん、本当にありがとうね。」と、心の中でお礼を言って、最期は家族水入らずの方が良いと思い、帰宅したその40分後に訃報の電話が来ました。
たった6か月だけの交流でしたが、彼女は今も私の心の中に生きています。
コロコロと笑う声、可愛らしい笑顔、短い間にご家族との思い出、職場のことなどいろいろな話を聞かせてくれました。
そして何よりも私にとっての “黄金の言葉”を彼女は残してくれました。
それは・・・『死に方は選べないけど、生き方は選べる!』という言葉です。
誰もが生きていれば、いろいろな難題にぶつかります。
誰が見ても超天然でいつも飄々としてるとよく他人に言われる私ですが、やはり難題にぶつかることもありました。疲れちゃって心がくじけそうになることもありました。
でもそういう時はいつも彼女のこの言葉を思い出しては自分を奮い立たせてきました。
『死に方は選べないけど、生き方は選べる!』
一度しかないこの人生、カッコ悪くても他人に何を言われても、とにかく自分で選んだ道を生き切って、最期はありがとうと感謝をして死んでいきたい・・・。と思います。
そう思えるきっかけの一つになった與語淑子さんに、私は心から感謝しています。
先日たまたま阿久比の病院の私物を整理してましたら、與語さんが亡くなった時に掲載された中日新聞の記事が出てきました。
與語さんはこんなに可愛い方なのに、お客様から女将ならぬ“おかめ”と言われて親しまれていたようでした。仕事が終わった後、與語さんの笑顔と美味しい料理で癒される方が沢山いたんでしょうね。
生花にはエネルギーがありますね〜。近くにいるだけでそのエネルギーを感じ、そして癒されます。
「入れもんがなかったから、ごめんだけど猫のおしっこの検査に使う使い捨てのコップに入れて持って来たよ。溢れんように気をつけてね!」と、「とにかく咲いてるうちに早く持ってかなきゃ!」って言うこの方の気持ちが超嬉しかったです!
Kさん、ありがとうございました(*^_^*)。
薔薇を下さったKさんちのコネちゃん。
寒い冬の夜にKさんの車庫に子供を産み落とし、その後Kさんちの猫ちゃんになりました。
ご主人はもう目の中に入れても痛くないのでは?!というくらいの可愛がりようだそうです。