前回のよもやま話で、しっぽの付け根に『肛門周囲腺腫』という腫瘍が出来ているソラちゃんの話をさせて頂きました。
ソラちゃんは14歳のロングチワワさんです。
もともと首の椎間板ヘルニアの鍼灸治療をさせて頂いていたのですが、二年前にソラちゃんの細いしっぽに大きな腫瘍があることに気づき、腫瘍の摘出はせずに、腫瘍を小さくするのを目的とした「去勢手術」をすることになりました。
ですが、手術直前になってソラちゃんに手術のリスクがあることが分かったので、手術は断念して、鍼灸治療のみで様子を見ていくことになりました。
今日は、二年間ソラちゃんの腫瘍の治療をさせて頂いて、ソラちゃんから学ばせて頂いたことをご報告したいと思います。
最初の10か月間は、『皮内針』と言って、後ろ足の「足三里」というツボに、5㎜~7㎜の短い針を入れっぱなしにしする手法を使っていました。そして腫瘍の大きさを経時的に測りながら様子を見ていったのですね。(写真参照)。
その後、『皮内針』を取り外し、腫瘍の原因となる『瘀血・おけつ(血の滞り)』を取ることに専念した治療に変えていきました。
治療していくうちに、最大5㎝だった腫瘍は、3.2㎝まで小さくなりましたが、大きくなったり小さくなったりを繰り返していました。計測表を見ていくうちに、〝腫瘍の大きさの変動とソラちゃんの精神状態に深い関係″があることに気づきました。
とにかくソラちゃんはお母さんのことが大好きなので、お母さんが体調を崩して寝込まれると、ソラちゃんは心配になって腫瘍が大きくなり、快復されると小さくなる・・。そしてお母さんが沖縄にいらっしゃる娘さんに逢いに行かれると、その淋しさでまた大きくなる・・。ということを繰り返していたのですね。
今は、お母さんと一緒にいる時間が長くなったこともあり、ここのところ3.4㎝で落ち着いています。(もう少し小さくなってくれたらな~・・と思ってはいますが。)
3000年前から『心身一如(心と身体は繋がっている)』と言われてきましたが、それは人間に限ったことではなく、ワンちゃんでもそういう事が言えることがこれで証明されました。
そして、ソラちゃんのように、飼い主様と動物は人間の親と子のように見えない太いパイプで繋がっているので、そのパイプが太ければ太いほど(絆が深ければ深いほど)、そういった現象が起こるのだと思います。
このことは、ワンちゃんに限ったことではなく、猫ちゃんだって、ハムスターさんだって、こういった事を感じた場面が今までに何度もありました。
だからと言って・・・「一緒に生活する動物たちに淋しい思いをさせてはならない!だから絶対に離れてはいけない!」とか、「彼らには感情があり、人間と感性が似ている」という理由で、必要以上に過保護になるのが好ましいとは決して思っていません。
ですが、ご縁あってこうして動物たちと巡り合い、そして飼い主さまを心配したりするその心の持ちようで身体にまで変調を来してしまうような愛しい動物たちを大切にして頂きたいな~と思います(^^)♡。
以上、長くなりましたが、『心と身体は繋がっている!飼い主様と動物も繋がっている!』のご報告を終わります(^^)。
鍼灸治療をし始めた頃の記録
(2016年、一枚目)
お母さん(Tさん)が体調を壊された時やご旅行に行かれた時に、ソラちゃんの腫瘍は大きくなっています。
ソラちゃんとTさん ソラちゃんはお母さんのことが大好きです(^^)!
そしてソラちゃんを見つめるTさんのまなざしもいつも優しいです♡。