『整体観念』と『心身一如』について

中医学で診断・治療を行う際に一番基本となる考え方として、『整体観念』というものがあります。
それには二つの解釈があります。

  1. 私たちの身体を一つの有機体ととらえて、一つ一つの組織は独立した存在ではなく、互いに連絡を取り合いながら、人体を構成している。という考え方です。
    (ですので、私たちの肝・心・脾・肺・腎は、実はそれぞれが繋がっていて連絡しあいながら生きているというふうに考えるのですね。これと同じ事を、去年NHKの番組が取り上げてましたね!)
  2. もう一つは、私たちの身体が小宇宙だとしたら、自然界は大宇宙に当たるので、「身体と自然界は繋がっている!」という考え方です。つまり私たちは自然界の影響を常に受けながら生活しているということになります。
    この考え方は、患者動物の診断をする上で決して無視はできないものです。(身体と自然界は繋がっているというこの考え方を『天人合一』と言います。)

そして、これらと似た考え方で、中医学の基本として考えられているもう一つの理論に、『心身一如』というものがあります。
これは、読んで字の如く、「精神と肉体は一体のもので分けることができず、一つのものの両面である。」という意味です。即ち「心と身体は繋がっている」という意味です。

かれこれ30年くらい前の話になりますが、私が在籍していた北里大学の剣道部の部旗には、『心身一如』と書かれていました。
当時の剣道部には、地元十和田市で警察官として活躍されていた吉田先生という師範がおられました。
吉田先生は、とても博学な方でいらっしゃいましたので、いつも稽古の後で私たち学生にいろんなお話をして下さっていました。
お恥ずかしいことに、私自身がむしゃらに稽古に励んではおりましたが、『物事の本質を捉える力』に欠けていた為、先生のお話の半分も理解することが出来ずに卒業してしまいました。今思うと「本当にもったいない事をしたな~・・。」と思います。吉田先生がご存命であったら、今正にお聞きしたい話ばかりだったと思います。

さて、『心身一如』・・・「心と身体は繋がっている」という今日のテーマですが、この事は、実生活の中で皆さんの中にも経験された方が結構いらっしゃるのではないかな~と思います。
「大事な試験の前になると、緊張し過ぎて下痢になる。」とか、「他人に昔話をしている時、たまたま風邪気味ではあったけど、辛かった経験の事に触れると、急に激しく咳き込んでしまう。」・・・などなど。
本当に心と身体って、繋がってるんですよね・・・。

それは人間だけではなく、ワンちゃんや猫ちゃんたちも同様な現象が起きるんです!
今回は、ワンちゃんで起こったお話をご報告しようと思います。
・・・と思いましたが、ここまでお話するのに、結構長くなってしまいましたので、次回、尾っぽの腫瘍で鍼灸治療をさせて頂いているワンちゃんのお話をさせて頂こうと思います。
そのワンちゃんの精神状態如何で、腫瘍が大きくなったり、小さくなったりする症例をお伝えしますね!
それでは今日はこの辺で~。


藤成神明社早朝に気功(行功)しながら藤成神明社に行き、その後病院の手前で必ずこの梅を眺めてから病院に入ります。

日に日に咲き誇ってくる梅の花を眺めては、朝から癒されています。

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