『風邪(ふうじゃ)- ① 』

中医学では、病気の原因を①外因(外的なもの)②内因(内的なもの)③不内外因(そのどちらでもないもの)の三つに分けます。

①「外因」は外からの原因のことであり、風・寒・暑・湿・燥(そう)・火(か)があります。

6つあることから、これらを総称して「六淫(りくいん)」と呼びます。

これらは本来、自然界の気候、気象であり、植物の生長を促したり、生体の活動を正しく行わせるものです。(これを六気といいます。)
ですが、その状態が正常であればいいのですが、それが過剰になったり、その季節ではない時にそのような状態になると、「六気」が「邪気」へと変わり、「六淫(りくいん)」となって、生体に侵入して害を及ぼします。

また正常な「六気」であったとしても、生体側に慢性疾患や加齢などにより正常な状態でない時には、やはり「六淫」となって生体を侵すようになります。

さて、やっとここで「風邪(ふうじゃ)」の話に入ります。
「風邪(ふうじゃ)」は、風(かぜ)の邪気であり、季節は春です。

1)風の性質から考えられる通り、軽いので症状も上の方に出やすく(昇発と言います。)、
2)そして他の六淫の邪気(寒の邪気や湿の邪気など)と合わさって、身体に侵入していろいろな症状を起こします。
3)また、風の如く体中を巡りながら、様々な病態へと変化していきます。

1)症状として、春に風邪の影響を受けて、めまい、涙目・鼻水(花粉症様症状)、癲癇(てんかん)などを起こします。
2)例えば、風邪が湿邪(しつじゃ)や寒邪(かんじゃ)と一緒になって、身体に侵入することによって起こる症状を風湿寒邪による「痺証(ひしょう)」と言います。主に肢体や関節の痛み、そして麻痺、運動障害などを起こします。
3)2)で起こった関節炎がいろいろな部位に移動して痛みや運動障害を起こします。

以上のように、「風邪(ふうじゃ)」は、他の邪気を伴って発病させる筆頭となることが多く、よって「百病の長」とも言われています。

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※ 後記です^^。

4月から休日も殆どセミナーが入っていて、よもやま話を書きかけては仕上がらずに今日に至りました。

もう湿邪バリバリの時期になりましたが、それでも夜、夜風が吹くことがまだあり、ここ1~2週間は、風邪による癲癇(てんかん)や、風湿寒邪による椎間板ヘルニアや関節炎の悪化を起こす患者さんが結構いました。
それで、この度少し季節は遅れましたが「風邪」のことを掲載することにしました。

私自身、いつまで経っても花粉症かと思われる涙目の症状がなかなか改善せず、例年なら「まこも」さえ飲んで、「まこも水」を点眼すれば、改善していたのですが、今年ばかりは漢方薬に頼る日が続きました。

今は、ようやく涙目は改善しましたが、今度は腰痛と膝の関節炎で毎日針を刺しています。(なんてこと書くとババくさいかも・・?!でも事実ですから仕方ないですね・・。)大阪のお師匠さまのところに行けない時は、いつも仕事の後で自分に針を打っています。

動物さんも皆さまも、どうぞお気をつけ下さいね! 


マルコちゃん脊髄疾患の治療で通ってくれている彦坂マルコちゃんです。

マルコちゃんは、おっとりさんで心の広いワンちゃんです。

動物と飼い主さまを元気にするのが私達の仕事ですが、いつもマルコちゃんに癒してもらっています(笑)。

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