『魂の契り(ちぎり;約束)』

今回の『魂の契り』の話は、5年ほど前にローレン・マッコール先生の『アニマルコミュニケーション上級セミナー』を受講した時から、コラムに書こうと温めていたものでした。

ところで私は、獣医に成りたての頃からしばらくの間、とても不思議に思っていたことがありました。
それは、診察中にいろんな飼い主様からお聞きする話の中で、“その動物と出逢ったきっかけ”が『偶然とは思えない!』という共通点があった事でした。

「わんちゃんが欲しくて、家族でペットショップに行ったら、お店の人が仔犬を何頭か出してくれたのね。そうしたらこの子が当たり前のように膝の上にちょん!と乗って来たんだわ~。」とか「めっちゃ可愛いのに何回その店に見に行っても、なぜかずっとこの子が売れ残っててさ~、結局この子、我が家に来たんだよね!」など、「偶然じゃないんじゃないの!?」と思いたくなるような出逢いが実に多かったんです。
私は、多くの飼い主さまからそういう話をお聞きするうちに、「きっと出逢うべくして出逢ったんだろうな~・・。」と思うようになっていました。

この不思議な 「人と動物との出逢い」についてローレン先生は、『魂の契り』 という表現をしておられました。
ローレン先生は、「人も動物も各々の魂が肉体に入る前に、魂だけが浮遊してる空間があるんですね。そこにはたくさんの魂が混在しているのですが、飼い主さまの魂とその動物の魂が、一旦そこで出逢うんです。そしてその時に『今度お互いに肉体に入って生まれてきたら、絶対に逢おうね!』と約束を交わすのです。」とおっしゃってました。
この話に証拠はないのですが、私はこれを聞いてとっても腑に落ちたんですね~。

ところで、私の父は乳牛の獣医でしたので、酪農家さんの病気の犬を父がお預かりしてそのまま譲り受けることがよくありました。ですから、私の実家には幼少の頃から当たり前の様に犬がいました。
そして、今の若い人たちが聞いたらびっくりするでしょうが、当時の日本は今の発展途上国のように、殆どの犬が外飼いで放し飼いだったんですね。
また、今の様にフィラリアという寄生虫の予防をしてなかったので、心臓にフィラリアが寄生して死ぬことが多く、犬の寿命は5年か長くて7年、10歳過ぎたら「なんて長生きな犬なの~??!」と言われるような時代でした。
ですので、実家の犬たちの回転が早かったのは事実です。

皆さんもそうであるように、私にもその一頭一頭に「思い出」がありました。
保育園に送り迎えをしてくれた子、私の犬と他の犬同士が群がってくつろいでいた時に私が行くと、急に私の前で格好つけたがって、仲間と喧嘩して勝ってみせた子、母と喧嘩した時に寒い夜に一緒に家出した子・・・などなど本当に今思い出しても懐かしい思い出ばかりです。

ただ、良い思い出ばかりではなく、辛い経験もありました。
母の実家に泊まりがけで行っている間に、父にお世話を頼んだのにどこかに行ってしまって帰ってこなくなってしまった子や、あれは小学校一年か二年の頃だったと思いますが、とても可愛がっていたコリー(テレビの影響もあり、ラッシーという名前でした。)を、私の知らない間に私が通っていた保育園の保母さんに母が勝手にあげてしまったこと・・・。
その後で泣いて母に抗議しても「もうあげちゃったんだから仕方ないでしょ!」と言われ、それから数ヶ月して神社に遊びに行った時、そのコリーをその保母さんの中学生くらいの娘さんがリードをつけてお散歩しているのを見掛け・・・本当に悲しかったですね~・・・。
あの時ラッシーは私と再会して何を思ったか・・・。なぜ私はその人に「この子私の家の子だから返して!!」って言えなかったのか・・・。もう何十年も経った話ですが、この事は今思い出しても、私にとってとても悲しい思い出です。
つい先日母にその話をしたら、「あら~・・・。そんなこともあったかしらね~・・。」とのこと。
母は高齢で今更という感じでしたので、それ以上その話はしませんでしたけどね・・・。

先日当時のラッシーを知る方と偶然お話する機会があり、「ラッシーね~、うちによく遊びに来たんだわ~。晩ご飯になると玄関に入ってくるのね!うちのお父さん犬嫌いなんだけどラッシーだけは良かったみたいで、ひと切れおかずあげるとラッシーはそれ食べて帰ってったんだよね!」なんて話を聞いて、「あら、ごめんなさいね!」と言いつつ、なんかその時代のほのぼのしたものを感じましたね~。 そんなお茶目なラッシーはそれなりに目立っていたらしく、その保母さんと娘さんにたいそう気に入られたので、貰われて行ってしまったのですね(涙)・・・。

そこから私は何を学んだか・・・。
『一寸の虫にも五分の魂』ですかね~・・・。
このことわざをグーグルと、「小さく弱い者にもそれ相当の意地や根性があるのだから、どんな相手でもあなどってはならないというたとえ。または戒め。」と出ました。
「そう!!もしかしたらその時母がしたことを反面教師として捉えて、自分の子供の気持ちを大事にして育てるようにってことで、その経験があったのかしら?!」・・・なんて言うのは後で無理やり見つけた自分の答えであり、本当にそこに学びがあったかどうか分かりません。
今となっては、ラッシーがその家で幸せな犬生を送ってくれていたことを祈るのみですね。

あっ、話が結構ずれましたね! 結局私は何が言いたいのかと言うと、せっかく『魂の契り』で出逢った私たち人間と動物たちなので、どうかその子の命が尽きるまで、大切にしてあげてくださいね!ってことでしょうか。

今日も長い長~い私のコラムにお付き合い下さいまして、ありがとうございました(^^)!
動物達と楽しい時間を共有してくださいね~♡♡♡


左がたろう君で右がここちゃんです左から神谷さんのお義母さんと神谷さん

神谷さんに抱かれているのは、左がたろう君で右がここちゃんです。

神谷さんはたろう君の飼い主様であり、お義母さんはここちゃんの飼い主様です。

2頭とも足と腰の疾患を抱えていますが、お二人の飼い主さまがお家でしっかりお灸をして下さるので、今はとっても調子が良いです!


プリンちゃん小宅さんと娘さんとプリンちゃん

プリンちゃんは椎間板ヘルニアで通院してくれています。

プリンちゃんはご家族の皆さんからとっても大事にされていて、プリンちゃんもそのことを自覚しています。

なのでプリンちゃんは自分の方が娘さんよりも上のお姉さんだと思っているそうです。

娘さんが気に入らない事をすると、たまに怒ることがあるそうですが、それでもやっぱり可愛い!!との事でした(^^)。

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