『陽気を身体に取り入れるー②』

先日もお伝えしましたが、2500年前から伝わる中医学の根底は、「自然界の万物を構成する最小単位のものは‟気”である。という『気の理論』から成り立っています。
全く無の状態、今でいう、ブラックホールに、一番最初に現れたのが「気」であり、その気が次第に引き寄せ合って集合体、有形の物となり、そこに生命が誕生し、生物が生まれたと考えられました。
やがてその「気」が、「陰」と「陽」の二極に分かれ、それらは絶えず動きながら互いに対立しながらも平衡状態を保っているという考えに至りました。(『陰陽論』)
陰は物質(形態や身体)を表し、陽はエネルギー(あるいは機能)を表すと言われています。
そしてそれらのバランスが崩れることにより、私達は病気になります。(陰陽についての分類の例は後日書きますね。)

身体に陽の気を入れるのに、太陽にあたる以外でとても効果が高いのは、お灸です。
お灸は、『陽気の塊』または『気の塊』と言われています。

血の巡りが悪く、常に身体が冷えている老犬や病気の子の多くは、治療中にお灸をすると、身体が温まってきて、鼻水を出します。これは私達もよく経験することで、寒い冬に外から暖かい部屋に入ると途端に鼻水が出るのと同じです。(もしくは寒い時に、熱いラーメンを食べて身体を中から温めると鼻水が出ますよね!)

陽気を上げるのに、カイロも一応お勧めです。
私自身冷え性ですので、腎兪(第二腰椎と第三腰椎の間の辺り)や関元(へそから指4本分下にさがった所)というツボにカイロを貼ることがあります。

カイロは身体を温めて血の巡りを良くしますが、お灸は今言った効果のみならず、『気』も上げます。(ここで言う『気』は、陽気も含めた『五つの作用を持つ気』の事です。例えばあるツボをお灸することにより、そのツボと関連する臓が持つ気の作用を上げて、治療効果を高めます。気のお話もいつかお伝えしますね。)

そしてもぐさのお灸の煙を嗅いでいるだけで、脳の血流が2倍になると言われています。
お恥ずかしいことに、私は小さい頃から忘れ物が多くて、小学一年の時には、担任の清水先生に呼び出されて、注意を受けた事がありました。今動物たちを治療しながらもぐさの煙を嗅いでいるということは、今後ボケにくくなるのではないかと、密かに期待しています。
ムッフフ・・・。

皆さま、治療も含めて色んな意味で、お灸、お勧めですよ(^^)V。

温故知新

11月中旬に、阿久比の病院に‟009さん”からファックスを頂きました。
‟009さん”は、温先生の勉強会(師温会)の元会長であり日本獣医中医薬学院の最高顧問の国分先生でした^^。
国分先生は鍼灸治療のみならず、素晴らしい人格の方で、尊敬する方のお一人です。またこういうユニークさが粋だな~と思います。
『温故知新』・・・故き(ふるき)を温めて(たずね求めて)、新しきを知る。正に中医学を学べば学ぶほど、新しい発見があります。

国分先生

今年の秋に堺市の国分治療院にて、パチリ!!

杉山むぎちゃん

10月から名古屋の病院にお膝と股関節の治療で通院してくれている11歳の杉山むぎちゃんです。
二年前に保護センターから杉山さんご一家が譲り受けたとの事。
治療させて頂く度に、素敵なご家族と出逢って、むぎちゃんはとっても幸せな毎日を過ごしているんだな~としみじみ思います。

もぐさの棒灸と棒灸へルパ―

治療日以外は、ご自宅で動物達にやって頂いているもぐさの棒灸と棒灸へルパ―です。
棒状になったもぐさに火をつけて棒灸ヘルパーに差し込みます。
お灸したい場所に赤い布を置き、布の上からお灸します。赤には遠赤外線作用があり、エネルギーをよく通すと言われています。
また動物達は「熱い!」と口では言えないので、火傷の予防にもなります。

もぐさ

上二つはもぐさのせんねん灸で、下は手でちねって直接ツボに置くもぐさです。
治療ではこれらを使い分けてお灸しています。

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